楽楽写真研究室

コウノトリ



 コウノトリは(赤ちゃんを運んでくるなど)幸せの鳥として西洋の童話で子供の頃から親しまれています。

 かって日本にもコウノトリが身近に沢山いて、日本画の題材として描かれており、その中で松の木に止まっている鶴のような鳥は、足の構造や離陸時の特徴からツルではなく、実はこのコウノトリだったともいわれています。

 しかしそのコウノトリも、開発に伴う日本の自然環境の激変や、農薬の使用など農業方法の転換に伴うエサの激減とともに、昭和の中ごろ絶滅の危機に瀕して、ついに兵庫県豊岡市を最後に日本の自然から姿を消してしまいました。
 
 それで、我々にも共通した住みよい自然環境を将来にわたり維持・確保するために、そのシンボルとしてコウノトリが注目を浴び、再生増殖する計画が立案されました。  最後の日本コウノトリの生息確認地であった兵庫県豊岡市に施設が計画・建設され、長年にわたり増殖、馴化などが試みられ、現在では約110羽余りのコウノトリがこの施設で飼育されています。
 
 そして平成17年9月にはここで育ったうちの5羽が試験的に放鳥され、18年の5月にはヒナ鳥も誕生し、7月にはめでたく2羽が巣立ちして、今では昨年放鳥された5羽や野生の1羽などとともに施設周辺を飛び回るに至っています。

 その後円山川や田んぼでも何度か放鳥が行われるました。そして昨年(19年)には放鳥されてコウノトリのつがいが巣をかけ産卵し、7月末にはヒナが誕生して無事巣立ちしたニュースもまだ記憶に新しいところです。



 コウノトリの再生計画や、放鳥されたコウノトリのその後の人工巣搭による営巣や保護活動など、コウノトリに関する最新の情報は下記のホームページやブログで随時紹介されていますので是非そちらをご覧下さい。


  「兵庫県立コウノトリの郷公園」 http://www.stork.u-hyogo.ac.jp/

  「六方たんぼのコウノトリ便り」 http://pub.ne.jp/kounotori/

 これらの情報をもとにコウノトリに関する、郷公園外での営巣活動や豊岡市以外における目撃情報などを以下にまとめました。

 <<最近のニュース>>  平成24年1月23日更新


平成23年分

 ・高病原性鳥インフルエンザへの対応のため、12月25日、公開ケージ等に入っていたコウノトリの検査を行い陰性が確認されたので、防護措置を施した特別のケージに移されたそうです。

・コウノトリ郷公園は12月28日から1月2日まで休園で、1月3日4日は特別開園されるそうです。

・高病原性鳥インフルエンザ対応のため隔離されていたコウノトリを公開ゲージに戻し、公開を再開(1月3日)。

・高病原性鳥インフルエンザ対応のため公開ゲージに入っていた12羽のコウノトリの検査を行い陰性が確認されたので、防疫措置を施したケージへ再び移した(1月27日)。

・高病原性鳥インフルエンザ対応として収容していたコウノトリを公開ゲージに戻し、公開再開(3月23日)。

・高石人口巣塔で繁殖ペアのオスJ0389が死亡(3月21日)。

・岡山県浅口市でコウノトリが高架電線に衝突して落下、死亡(4月17日)。J0019と確認。

 

・コウノトリの郷公園の年末年始の休園日は平成23年12月28日から平成24年1月2日まです。1月3日と4日は特別開園されるそうです。


 平成20年以降昨年23年までの営巣情報分は下記のページに移しました。(H24.1.23)

コウノトリ野生化の関連情報


 


コウノトリの郷公園平面図
(兵庫県立コウノトリの郷公園ホームページより転載)




 コウノトリレポート


 コウノトリの放鳥計画は関係者の尽力の甲斐あって順調に進んでいますが、個人的な撮影やレポートでコウノトリの再生や野生復帰の邪魔をすることは出来ません。それで新しい写真や情報はあまり掲載できませんが、以前コウノトリの郷公園で撮影した写真や記録を以下に掲載しました。


 平成17年の試験放鳥やコウノトリの郷公園のホームページに報道されている情報を見て、せひ一度大空に舞う姿を見てみたいと見学に出かけました。

 以下に独断と偏見のもとにコウノトリの様子をレポートします。


1、野生

2、冒険

3、大空に羽ばたく

4.晩秋の頃



1、野生


撮影

平成18年4月
平成18年8月

 昨年の試験放鳥やコウノトリの郷公園のホームページに報道されている情報を見て、せひ一度大空に舞う姿を見てみたいと見学に出かけました。

 以下に独断と偏見のもとにコウノトリの様子をレポートします。

 今までコウノトリを見たのは動物園の細かい目のケージの中でした。
 おりの透間から写真を撮ろうとじっと見ていると、だんだん奥の方へ行ってしまうような何故かひ弱でおとなしそうな第一印象でした。

 このコウノトリの郷公園では、じっとカメラを向けていると、むこうも意識しているようですが、嫌がって逃げてゆくものは余りおらず、むしろ珍しいのか近寄ってくるのもいます。おそらく好奇心の旺盛なヒナ鳥か若い鳥でしょうが。


 4月に初めてコウノトリの郷公園へ見学に行った時のことです。コウノトリ文化館(コウノピア)のベランダでセンターの方の解説を聞き終り、写真を撮ろうと前の(西)公開ケージを見ていると、突然2羽がにらみ合いを始めました。



羽根を広げて押し合っています


がっぷり四つに組み合いました。


一羽がもう一羽の首に食らいつき、押してぐるぐると回って
いましたが、やがてフェンスの方へ押してゆきました。


そしてこの有様です。かわいそうに逃げ場がなく
フェンスに口ばしを突っ込んで動きません。
うしろにいるのは当事者の鳥ではなく
心配して寄ってきた別の鳥です。


やがて気をとり直したのか元いた場所に戻って行きました。
ところがまたすぐにクラッタリングという挨拶をしたかと思うと
またにらみ合いが始まり、格闘を始めました。


そして今度もこの結幕です。
やがて飼育員が入りこの鳥は隔離されました。
隔離されるとすぐに元気になり、一人でまたクラッタリング
していました。


以下平成18年8月撮影


ごはんだ


公開ケージ(西)の段々池です。午前10時ごろにエサをもらいます。
昨年放鳥された5羽やヒナ鳥、また居候のサギたちもご相伴に預かり、
にぎやかです。




暑くなると大変です


日差しが強くなると1羽づつ木の陰に入ります。



午後になり暑くなって、一羽が水に入り水浴びを始めると、
みんな木陰から出てきて水浴びを始めます。






2、冒険


平成18年8月初旬撮影

今年生まれたコウノトリのヒナ鳥が巣立ちしたというニュースを見て、さっそく見学に出かけました。


ここはコウノトリの郷公園の前を流れる
鎌谷川の中です。


お兄ちゃんがエサを見つけてやるからよく見てろよ!


そうして取るの、どういっぱい居そう?


全然取れないじゃないの。


二羽は川を遡り何箇所でエサを探していましたがあきらめて
鎌谷川から上がり野性化ゾーンの湿地の方へ飛んで移動しました。


ここはどうかな?


ここの湿地でもエサを探していましたが少しも見つかる様子もなく
だんだんと上の段の湿地に移動し、とうとう非公開ゾーンの
フェンスのところに着きました。
これから上は見学者は立ち入り出来ませんが、コウノトリのヒナたちも躊躇していました。


やがて何を思ったのか一羽が急に飛び、山際をかすめて
祥雲寺の放鳥拠点の方へ飛んで戻って行きました。


「お兄ちゃん置いてかないで」といわんばかりに
もう1羽も慌てて飛んで帰りました。


「初めてのお使い」を見るようなコウノトリのヒナの45分間の冒険でした





3、大空に羽ばたく


平成18年8月下旬撮影

 前回見学に行った時巣立ちしたコウノトリのヒナ鳥が飛ぶ姿を幸運にも見ることが出来ましたが、まだ少しおっかなびっくりで、遠くに来てしまい、祥雲寺拠点にあり、自分達が育った人口巣搭に慌てて逃げ帰るという印象でした。

 私も家に帰ってから撮影したヒナ鳥の初々しい姿や行動の記録を見ていると、今度は大空を悠然と舞う姿を早く見てみたいとの気持ちが膨らみ、一月もしないうちに再度出かけました。這えば立て、立てば歩めの気持ちでしょうか?



コウノピアの屋根に止まり風見鶏のようなメスのヒナ鳥
(白サギは同じ釜の飯を食べているしり合いです。)



こんなに高く飛べるようになりました。



ご飯の時間だ! 降りようーと.



僕はコウノトリだ。こんなところでも上手に止まれるのだ。



大空を飛ぶ勇姿を見てやってください












大きな音に驚いて放鳥4羽とヒナ鳥2羽が飛び立ちましたが、
上空を旋回して様子を伺っていました。



番先に舞い降りてきたのはご覧のヒナ鳥の兄妹でした。
(止まる場所はそれぞれ決まっているようです)



再見!


<観撮後記>

 日本のコウノトリが私達の環境から姿を消して、ここコウノトリの郷公園と動物園でしか見れない鳥になってしまった現実から、少しでも身近にコウノトリを感じていただけるようにと、敢てこうゆう構成で掲載しました。
 
 8月27日のNHKスペシャルで「コウノトリがよみがえる里」の特集を見ました。豊岡市のみなさんがコウノトリの郷公園の方と協力して、周辺の田んぼで1年中エサのドジョウやカエルなどを取って野性の生活ができるよう、農薬を使わないなどの自然農法を採用して、コウノトリたちを温かく受け入れる準備をされている様子を1年を通じて記録したものでした。
 しかし昨年放鳥された5羽も今年生まれたヒナ鳥も食事時間になるとすぐ公開ケージに戻ってきてしまい、ケージの鳥のえさを一緒に食べているとのことです。
 
  コウノトリにしてみると、狭いケージの中ですが今までみんなと一緒に暮らし食事をしてきたのですから、一緒に食べる方が安心で楽しいのではないでしょうか?
 またコウノトリの郷公園の仲間以外、どこまで飛んでいっても同種の鳥が全然見あたらず、縄張りが決められないので不安なのではないでしょうか?
 
 私は今年になって初めて見学に出かけ、今回でまだ3回目ですが、ここのコウノトリは、野生の白サギなどに比べ、非常に人間的で、行動が理解しやすいように思えるのはやはり飼い鳥だからでしょうか?

 家に帰り写したコウノトリたちの記録画像を整理していて驚いたことは、逆に私がコウノトリによく観察され、覚えられてしまっていることでした。
 そうですね。朝早くから昼過ぎまで、そばでずーとカメラを構えて覗いているのですから、そして上空を飛んでいるときでも追い写ししているのですから、
人間なら「ええ加減にせんかい!」というところでしょう。

 でも、大空を飛ぶ姿をカメラに収められたので満足して帰ろうとすると、その度にまた飛び上がるので帰れなくなり、最後に、車のところで帰る準備をしていると上空を飛んでいたのにみんな下りてきて、駐車場の上まで見送りに来てくれたように感じましたが、気のせいでしょうか?

 今度行ったら家まで付いて来るかもしれません(笑)。パパラッチのように、こんなことをばかりしていると自然にもどる邪魔になるかもしれませんね。



4.晩秋の頃


平成18年12月1日撮影








今年生まれたヒナ鳥や新たに放鳥されたコウノトリが
コウノピアの屋根の棟でエサの時間を待っています



後姿が面白い形をしていました。


撮影後記

 晩秋の頃冬を迎えてコウノトリ達はどうしているかと見学に出かけました。
 
 今年新たに六方田んぼや円山川で放鳥された鳥達や野生の個体を加えると、
自由に飛び回っているコウノトリの数がぐんと増えたので、出かける前は
飛んでいる写真を沢山撮れるだろうと思っていました。
 
 ところが低空飛行や、予想外の突然の飛びたちが多く、かえって写しつらくなったような気がしました。
 ヒナ鳥も成長し、外の世界を見て成鳥たちと同じように警戒心が大分芽生えてきたのか、季節柄や
天候のせいかそれとも見物の人が多かったせいかもしれません。

 また電柱や高圧の送電線の鉄塔に止まっているのを見たので、これから天候や見通しの悪い、
厳しい季節を迎えて、また狩猟やいたずらなどを含む、不慮の事故や災難にあうことがないよう祈ります。


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