出港
5月か6月ごろ、「小笠原に行かへんか?」と大川さんから誘いがあった。そのころはまだ行けたらええな、ぐらいの気持ちだった。と言うのも、そのころの僕はまだ大学のヨット部に入っていて土日はもちろん夏休みも練習があるはずだった。ところが話がどんどん具体的なものになり、一応クルージングには行きたいと言ってあったのではっきりとした返事をしないといけなくなった。もし行くのならクラブはやめないといけない。
「…これは大変や!夏休みをクラブですごすか小笠原ですごすかどっちか、 ・・・・・ んーやっぱり小笠原かぁ。」
こうして、ヨットに乗ってからの夢だった小笠原に行くことが急にきまってしまった。そして毎週土日はヨット部へ行っていたのが、今度ははやどりクラブへ整備に行くこととなった。(クラブをやめて小笠原に行くことは、どこからか出島中に知れわたっていた。
??? )
なんやかんやと3.4回ほど整備をすると、学校も夏休みに入り出発の日がやってきた。出航パーティーとやらをするらしく、当日も買い出しとなる。「やっぱりはやどりは近海じゃなく宴会仕様やな。」だれかの言葉。いよいよ本当に行くことになったんやなーと焼肉などをぱくついていると、福西さんから「出港5分前!」の声が。ちょっとまってくれ、まだ心の準備が。と思ううちに、もやいロープがはなされ23時20分はやどりは小笠原へむけて出港した。島唄を聞きながら闇のなかを一文字へと進む。そういえば、夜に海へ出るのは去年の5月に牛窓へ行くとき以来だった。あいかわらず海の上は、本船の明りで驚くほど明るい。もちろん星などほとんど見えない。それがあんなに見えるようになる
とは・・・。