| 1950年・第4回ブラジル大会 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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第2次世界大戦が集結して、世界は復興の時代へと移行した。建国100周年に沸くブラジルは、リオ・デ・ジャネイロに世界最大のスタジアム“マラカナン”を建設する。収容人員18万人。空前の規模を誇るスタジアムは、終戦後はじめて行われるワールドカップの舞台として用いられた。 12年の歳月を挟んで、ブラジルで開催されたワールドカップは、世界の復興のシンボルとして盛大な盛り上がりを見せる。この大会からは、サッカーの母国として知られるイングランドが参加した。世界最強を自負するイングランドだけに、話題と注目を集めたが、一次リーグで早くも姿を消してしまう。アウトサイダーの1国であるアメリカを相手に、まさかの完封負けを喫すると、続くスペインも完封負けに終わり、世界の進歩から取り残されている現状が明るみとなった。アメリカ戦の敗北は、外電が衝撃的な事件として各国に配信。イングランドにとって、手痛い世界の洗礼となった。一方、ドイツとフランスは、政治情勢から本大会をボイコットしている。 1934年イタリア大会、1938年フランス大会と、2大会連覇を成し遂げたイタリアは、スウェーデン、パラグアイと対戦。1勝1敗でスウェーデンに破れ、こちらも一次リーグで姿を消している。イタリアにとって不運だったのは、ワールドカップの前年に、代表の主力を含むトリノの選手を乗せた飛行機が、スペルガの丘に墜落したことである。前任ビットリオ・ポッツォ監督の作り上げたドリームチームは、これで結成不可能となった。さらに、ヨーロッパ屈指の強豪スウェーデンと初戦で戦うことになり、イタリアは再起を図るチャンスにも恵まれなかった。大柄なフォワードを5人並べるスウェーデンの攻撃はパワフルで、守りを主体とするイタリアのサッカーとは相性が悪かった。若手主体のイタリアは、得意のカウンターから2点を奪い返したが、スウェーデンの前に圧倒されてしまう。この敗北が、王者イタリアにとって長く続く“暗黒の時代”の幕開けとなった。 開催国として、是が非でも優勝を果たしたいブラジルは、アデミールやジジーニョといったテクニシャンを揃え、一次リーグでユーゴスラビアを振り切った。決勝リーグでは、これまでのトーナメント形式ではなく、ウルグアイ、スウェーデン、スペインとのリーグ戦を行なうことになる。ブラジルは、ヨーロッパの雄スウェーデンを7−1というワンサイド・スコアで下して、圧倒的な攻撃力を見せつける。この試合でアデミールは、1試合4得点という偉業を成し遂げた。第2戦のスペイン戦でも勢いは衰えを知らず、6−1の大差で勝利する。その結果、ブラジルは最終戦でウルグアイと引分け以上の結果を残せば、ワールドカップ初優勝を手にすることができる。そのウルグアイは、伝説の名手ホセ・アンドラーデの甥っ子、ビクトル・ロドリゲス・アンドラーデが精神的支柱となって、土壇場で追いつくタフな試合運びを見せていた。中盤の底で落着いてゲームの流れをコントロールする、アンドラーデやバレラを抱えていたことが強味だった。勢いだけを見るとブラジルの有利に思われたが、試合巧者はウルグアイの方がだった。 試合開始から攻め込むブラジルに対して、執拗なマークで守りを固めるウルグアイは、前半を0−0で降り返すことに成功する。しかし、後半のキックオフ直後、フリアサにゴールを奪われて、遂にホームのブラジルにリードを許してしまう。このままブラジルが勢いを掴むかに見られたが、アンドラーデを中心としたウルグアイの守備は手堅く、ブラジルは追加点を奪うことができない。そして、最悪にもスキアフィーノに同点ゴールを決められた。これで焦りが見え出したブラジルは、終了10分前にギジャに追加点を奪われて、悪夢の終焉を迎える。試合終了のホイッスルと同時にスタンドの観客は暴動を起し、4人がショックから心臓麻痺で死亡。セレモニーを予定していたFIFAは急遽これを中止して、人込みの中でキャプテンのアンドラーデにトロフィーを手渡すだけで精一杯だった。事態は悪化の一途を辿り、60人以上の者が病院へと運び込まれている。その惨劇をスタンドでまざまざと目撃した一人の少年は、涙を浮かべる父親に向かって、必ずブラジルを優勝させて見せると宣言した。後に、サッカーの王様と称えられる8歳のペレがそこにあった。 |
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