This is real Pele's story. He is fighting. The enemy is Maradona.
この物語は50%のノンフィクションと50%のフィクションによって構成されています。
[SFR公認]Pele & Maradona

ワールドカップ強奪の巻



2002年、ワールドカップ決勝戦前日。記者会見でマラドーナのことばかり質問されて憮然とするペレ。


"ブラジルから来た記者です。マラドーナの入国が許可されました。"
マラドーナが過ちを犯したのは10年前のことだ。それをいつまでも問う必要はないだろう。


"マラドーナは変わり果てていましたが、あなたはスタイルを維持しています。"
私は常にファンと共にありたいと願っている。世界中のファンのためにもペレであり続けるよう努力を怠っていない。


"マラドーナはブラジルの優勝を予想しています。あなたはブラジルの優勝に悲観的です。"
私はブラジル人でもあり、1人のフットボーラーでもある。強いチームが勝つと予想するのは当然のことです。今大会のドイツは強い。


"マラドーナが入国拒否された背景には、あなたが関与しているとの黒い噂もありますが?"
仰る通り、私は日本の外務省に圧力をかけました。しかし、それは皆さんのためでもあるのですよ。マラドーナの姿を見たでしょう。あれを見て、あなたはショックを受けませんか?

"確かにあの姿はショックでした。"


2002年、ワールドカップ決勝戦前日。記者会見で袋叩きにされるマラドーナ。


"世界中があなたの容姿に注目しています。"
私は注目されるのが好きだ。


"それはあなたが完璧に太っているからです。"
私はいつもベストの状態にある。


"ダイエットはしないのですか?"
今の私がベストだ。


"繰り返すようですが、あなたは本当にマラドーナですか?"

この直後に会見中断。

カルロス・ペドロの手記より抜粋

ペレは知り合いの記者達を集めてマラドーナの会見場に送り込んだんだ。容姿のことを質問するようにと。マラドーナは相当苛立っていたけど、この中継も世界中から喝采を浴びることになった。もはやマラドーナは不沈艦のようなものだ。ペレはなんとかしてマラドーナより目立てないかと画策していたが、あのときばかりは動けば動くほど裏目だった。それでもペレはキングペレだからね。ペレと私はFIFAの友人達に掛けあい、優勝セレモニーへの入場を許可してもらったんだよ。そして、あのドラマに至ったという訳さ。


2002年ワールドカップ決勝戦終了間際。ジュールリメ杯を横目に何かを画策するペレ。



オリバー・カーンの守るゴールを破り、ロナウドがこの日2点目を決める。これでブラジルの勝利は決定的なものとなる。



早くも優勝騒ぎのブラジル。刻一刻とセレモニーの時が迫っていた。



"やりよったな小僧!"
やはりワシの見込んだ通りの男だ。お前は真のペレの後継者と呼ばれるぞ。



油断したなペレ。
さすがのおまえでも、これだけカメラが回っていれば何もできまい。
なぜビビアナを戦いに巻き込んだ!

ペレにサバ折り。

カルロス・ペドロの手記より抜粋

その夜のペレはファンタスティックに喜んでいたよ。ビデオを何度も巻き戻して、マラドーナが何処にも映っていないことを確認したんだ。あの日、ペレは誰よりも主役だった。本当に満足していたよ。ロナウドから予想外の歓迎を受けたけど、マラドーナに勝利したペレにとっては、どうというものでもなかった。日本の記者達はペレがジュールリメ杯を奪い取ったことに呆気に取られていた。しかし、あれぐらい当然さ。私達の敵はマラドーナだったのだから。今だから明かすけど、ブラッター会長がカップを手渡す瞬間を狙って、ペレは何度もイメージトレーニングしていたんだよ。


世界中を唖然とさせた決定的シーン。

FIFAブラッター会長から直々に手渡されるジュールリメ杯をペレが奪い取ってしまう。トロフィー授与式がペレの独壇場と化した瞬間だった。



「黒いペレの珍劇」と共に2002年ワールドカップは幕を閉じた。
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